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検査結果の見方

ティーエムクリニックでは、企業・健康保険組合に向けた健康診断を受託しています。
このページでは、当会が受診者様、健診ご担当者様にご報告している下記の健診結果に関して説明しています。

  • 受診者さま宛の健康診断結果(健康診断レポート)
  • 健診ご担当者さま向けの健康診断レポート控え(個人通知)
  • 健診ご担当者さま向けの健康診断結果報告書、要管理者一覧表、受診者一覧表(ホチキス留めしてあるもの)
  • 健診ご担当者さま向けの健康管理台帳  等

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判定区分
判定区分説明
A1 異常なし今回の健康診断で特に問題はありませんでした。
今後とも、健康の保持、増進に一層励んでください。
A2有所見健康今回の健康診断で僅かに所見が認められますが、特に問題はありませんでした。今後とも健康の保持、増進に一層励んでください。
A3生活注意生活習慣が主な原因と思われる軽微な所見が認められます。今の段階で生活習慣を改善すると将来の疾病を予防することが可能です。
B1要経過観察所見が認められますので経過観察してください。体調に配慮し、変化を感じた場合には、次年度の健診を待たずに医師・保健師等に相談してください。
B1-06、03等の数字記載がある場合は、それぞれ6ヶ月、3ヶ月ごとに医療機関にて経過をみておくことが必要です。
B2経過観察中あなたは現在経過観察中のようですので、今回の結果を主治医・産業保健職等に見せて引き続き経過観察をお受けください。
G1要再検査所見が認められます。一時的なものかもしれませんので、再検査を受けてください。今後とも健康の保持、増進に励んでください。
G2要精密検査所見が認められます。診断を確かめるために詳しい検査を受けてください。今後とも更に健康の保持、増進に励んでください。
C1要医療あなたには受診が必要と思われます。医療機関を受診し、日常生活の指導や治療について指示を受けてください。受診の際は、この通知を持参してください。
C2加療中あなたは現在加療中のようですので今回の健診結果を主治医に見せてください。日常生活や治療についての主治医の注意をよく守ってください。
R1R判定不能今回実施した検査では検体の状態が検査に適さず判定ができませんでした。再検査しても当該検体での検査結果が得られないと予測される場合に、この判断を行います。
BMI(Body Mass Index

BMIとは、人の肥満度を表す体格指数で、身長に見合った体重かどうか判定する数値です。
BMI値22前後が最も病気が少なく、この時の体重を標準体重としています。


計算式
BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))

BMI日本肥満学会による判定判定区分
0.0~14.9低体重C1
15.0~16.9B1
17.0~18.4A2
18.5~24.9ふつうA1
25.0~29.9肥満1度A3
30.0~34.9肥満2度A3
35.0~39.9肥満3度A3
40.0以上肥満4度A3

腹囲

肥満のうちでも特に内臓に脂肪がたまる、内臓脂肪型肥満(内臓脂肪蓄積)が動脈硬化を進行させます。
腹囲計測は内臓脂肪型肥満をみる指標の一つとされています。

性別基準値
男性~84.9cm
女性~89.9cm
聴力検査

会話法聴力、または選別聴力検査として1000Hz(低音域)と4000Hz(高音域)の聴力をオージオメーターで調べます。

①会話法聴力

診察の際に医師との会話のやりとりの中で自然に聴力検査が終わります。会話法の場合、日常会話に支障がなければ「異常なし」と判断されます。
検査の中で低下の疑いがあった場合には、一度耳鼻科での検査を受けてください(判定G2)

②選別聴力検査

選別聴力検査では、左右各耳について、1000Hz(低音域)30dB、4000Hz(高音域)40dB(雇い入れ時検査では30dB)の音を聞き、検査音が聴取可能であれば「所見なし」(結果表記は「なし」)、聴取不可能であれば「所見あり」(結果表記は「あり」)と判断されます。
2018年4月1日健診分より以下の判定ルールへ変更しました。(一部指定事業所・健康保険組合を除く)
左右1000Hz、4000Hzのいずれかに“所見あり”の場合には、一度耳鼻科での検査を受けてください(判定G2)

健診では、自分で気が付かない難聴を指摘されることがあります。その時点で耳鼻咽喉科に受診し精密検査を受けることで、難聴の程度やどの部位が原因なのか、また必要な対応は何か早期に指導を受けることができます。そのため所見ありの場合には要精密検査(G2)と判定しています。
過去に耳鼻科で診察を受け、疾患や先天性の聴力低下、加齢影響等による継続的な聴力異常と診断されている場合には、健康診断の問診結果の耳鼻科疾患の記載状況に応じて、経過観察中(B2)や加療中(C2)の判定となります。

血圧検査

血圧とは、血液から血管の壁にかかる圧力のことで、普通は上腕の動脈について測定した値のことをいいます。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧力最大値を、最高血圧(収縮期血圧)といい、心臓が拡張して静脈側の血液を吸い込んだときの圧力最小値を、最低血圧(拡張期血圧)といいます。

成人における血圧値の分類(mmHg)
日本高血圧学会 分類当会
分類
収縮期
血圧
 拡張期
血圧
判定区分
正常域血圧正常血圧低血圧<90A2
<120かつ<80A1
正常高値血圧120~129A2
高値血圧130~139かつ/または80~89A3
高血圧Ⅰ度高血圧140~159かつ/または90~99B1
Ⅱ度高血圧160~179かつ/または100~109C1
Ⅲ度高血圧≧180かつ/または≧110C1
(孤立性)収縮期高血圧≧140かつ<90B1~C1

日本高血圧学会基準では正常血圧ですが、当会では収縮期血圧<90を低血圧A2としています。

家庭血圧のススメ

病院や会社の健康診断のときに、白衣を着た人の前では緊張して本来のその人の血圧よりも数値が高くなる人がいます。
そのような人は自宅でリラックスして測る家庭血圧が大事です。家庭血圧の高血圧の基準は5mmHg低い、135/85です。
精密検査が必要と判定されたときは内科を受診してください。

尿検査

尿検査とは、尿中の蛋白や糖などを調べ、様々な病気やその兆候を知ることができる検査です。

尿中の蛋白は腎臓の病気、潜血は結石や腎炎等、糖は糖尿病関連、ウロビリノーゲンは肝臓の病気の可能性があります。どの項目も、下表の説明のとおり、他の可能性もありますので、精密検査が必要とされたとき(G2)は、医療機関を受診することをお勧めします。

項目検査結果判定区分説明
尿蛋白A1慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症など腎臓や尿路等の病気発見の手がかりになります。
高熱が出た時の熱性蛋白尿や起立性蛋白尿、一過性の過労等で陽性となることがあります。
±A2
B1
2+~4+G2
尿潜血A1膀胱炎、腎臓や尿管の結石など尿の通り道に異常があると、尿の中にわずかに赤血球が混じることがあります。前立腺炎や泌尿器系の悪性腫瘍等でも陽性となることがあります。
±A2
B1
2+~4+G2
尿糖-~±A1糖尿病、腎性糖尿などで陽性となります。
尿糖が陽性でも糖尿病とは限らず、血糖値等によって判定する必要があります。
+~4+G2
尿ウロビリノーゲン正~+A1急性・慢性肝炎や胆管結石など肝臓や胆のうの疾患を疑います。
確定診断には血液一般検査、生化学検査などが必要です。
2+~4+G2

※判定は尿沈渣、血液検査結果等で変わることがあります。
※尿糖判定は、血糖検査を実施している方については、血糖値を加味して判定を行っています。

尿沈渣検査

項目検査結果説明
尿

沈渣赤血球4以下/毎視野(HPF)尿の沈殿物を顕微鏡でみる検査で、「赤血球」「白血球」「上皮細胞」「円柱」などの成分が増加していないかを調べます。
腎臓や尿路の診断が主な目的ですが、泌尿器以外の疾患が影響することもあります。
沈渣白血球4以下/毎視野(HPF)
沈渣扁平上皮4以下/毎視野(HPF)
沈渣硝子円柱(-)(±)
沈渣顆粒円柱(-)
血圧検査

血液は血管の中を巡り、身体のすみずみに酸素や栄養などを送り届けています。
血液検査は、その血液に含まれている細胞や酵素、抗体などの数を数値化して、病気の診断やリスクをみつける検査です。
生活習慣病の中には、自覚症状が現れる前に病気が進行してしまっているものもあります。早期にリスクを知ることで、生活改善や予防に役立てることもできます。
血液検査でわかる主な病気は貧血、肝臓の異常、腎臓の異常、脂質異常症、糖尿病などです。関連する病気は項目によって異なるので、下表の項目ごとの説明をご覧ください。

下表の基準値とは、健康人の95%の人が入る範囲です(健康人でもこの範囲を外れる人が少数います)。この範囲を大きく逸脱すると病気の疑いが強まります。病気の疑いが高く明らかに放置するべきでないときは、要精密検査あるいは要医療と判定します。


※精密検査が必要と判定されたときは内科を受診してください。また、主治医の指示に従って対応してください。
※基準値は当会指定の血液検査機関のデータを参考に設定しています。

項目単位性別基準値※説明
下限上限
肝臓系検査AST
(GOT)
U/L 030心臓、肝臓、筋肉、腎臓などのさまざまな臓器に存在する酵素です。これらの臓器が障害を受けると、この酵素が血液中に放出され、高値を示します。
ALT
(GPT)
U/L 030ASTと同じように身体のさまざまな臓器に存在しますが、ALTは主に肝臓に存在するためASTとALTの両方が高値のときあるいはALTのみが高値の場合には肝障害の可能性が高くなります。
γ-GTU/L 050蛋白質を分解する酵素の1つです。肝臓や胆道に病気があると高値を示します。アルコールの影響で高値になりやすく、常習飲酒による肝障害の指標になります。
ALP
(IFCC法)
U/L 38113身体のほとんどの臓器に含まれている酵素ですが、主に肝臓、胆管、骨、胎盤などに多く分布し、これらの臓器の疾患で高値を示します。
ChE
(コリンエステラーゼ)
U/L242495肝臓、膵臓、心臓などに多く存在しますが、肝臓で合成されているため、肝機能をよく反映しています。肝臓障害や栄養障害などで低下し、ネフローゼ症候群や脂肪肝などでは高値を示します。
200459
LDH
(IFCC法)
U/L 124222各種臓器に広く分布し、肝臓、心臓、腎臓などの臓器のほか、筋肉や血液にも多く存在します。これらの臓器や血液成分に障害があると高値を示します。
総蛋白
(TP)
g/dL 6.78.3血液中にはアルブミンやグロブリンなどの蛋白があり、身体の働きに重要な役割を果たします。低栄養、栄養の吸収障害など蛋白の不足で低下する他、肝臓、腎臓、免疫機能の障害により、身体の代謝に異常があると増減します。
アルブミン
(ALB)
g/dL 3.85.2血液中に一番たくさんある蛋白で、肝臓で合成されます。栄養障害、肝臓や腎臓の障害時に低下します。
A/G比  1.12.1血清中のアルブミンとグロブリンの比を調べることで、血清蛋白の異常を知ることができます。ネフローゼ症候群や肝臓疾患、慢性感染症などで低値となります。
総ビリルビン
(T-bil)
mg/dL 0.01.2赤血球には寿命があり毎日少しずつ壊れていますが、その際にヘモグロビンが分解されて生じるものがビリルビンです。血中ビリルビンの値により、黄疸の程度などを含め、肝・胆道系疾患の有無やその程度を知ることができます。
肝炎検査HBs抗原  (-)肝炎を引きおこすウイルスの1つであるB型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べます。
B型肝炎は重大な病気なので、陽性のときは内科を受診することをお勧めします。
HBs抗体  (-)B型肝炎ウイルスに対する抵抗力の有無を調べます。この抗体が陽性のときはB型肝炎ウイルスによる新たな感染の可能性は低いと考えることができます。
HCV 抗体  (-)過去または現在、C型肝炎ウイルスに感染した、あるいは感染していることを示します。確認には遺伝子診断であるHCV-RNAを検査します。C型肝炎は重大な病気なので、陽性のときは内科を受診することをお勧めします。
脂質系検査総コレステロール
(T-cho)
mg/dL 130*219*コレステロールは血液中に含まれる脂肪分の1つで、細胞やホルモンを作るために必要な物質です。これが異常に高いと動脈硬化の進行が早まり、長期的には心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などがおこりやすくなります。
*当会では2025年度より総コレステロールの結果について判定を付与しません。
中性脂肪
(TG)
mg/dL 30149高カロリー食やアルコールの過飲などで過剰に摂られたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、さらに増加すると皮下脂肪や肝臓に蓄えられます。これが高くなると、内臓脂肪の増加や脂肪肝の原因となります。
HDL-C
(HDL-コレステロール)
mg/dL 4089動脈壁に付着したコレステロールを再び血液中に洗い出す働きがあるため善玉コレステロールと呼ばれます。これが高いと動脈硬化に予防的に働き、低いと動脈壁へのコレステロール沈着が増え動脈硬化の進行が早まります。
LDL-C
(LDL-コレステロール)
mg/dL 60119LDL(低比重リポ蛋白)はコレステロールを末梢細胞に運搬する働きがあります。血中のLDL-コレステロールの増加は冠動脈疾患の危険因子です。高値のときは、バランスの良い食事や適度な運動を心がけてください。
nonHDL-C
(nonHDL-コレステロール)
mg/dL 0*149*non HDLコレステロールはLDLだけでなくすべての動脈硬化を引きおこしたり促進したりするコレステロールを表します。non HDLコレステロール=総コレステロール-HDL-コレステロールで計算されます。
*当会では2025年度よりnon HDLコレステロールの結果について、中性脂肪が400mg/dL以上の高値の場合にのみ判定を付与します。
糖代謝系検査血糖
(グルコース・BS)
mg/dL 7099血液中のブドウ糖は身体の大切なエネルギー源です。食後には血糖が上昇しますが、インスリンの働きでもとに戻ります。糖尿病でインスリンの作用が不足すると血糖値は上昇します。糖代謝の要精密検査・要医療判定(糖尿病疑い)を放置することは危険です。内科を受診してください。
HbA1c(N)% 4.65.5ブドウ糖とヘモグロビンが結合したものを、HbA1c(グリコヘモグロビン)といいます。
この物質は赤血球の寿命である約120日は安定するため、過去1~2か月の長期間の血糖がうまく調整されているかどうかを知るために役立ちます。
尿酸、
炎症、
腎臓・膵臓系検査
尿酸(UA)mg/dL3.77.0尿酸は身体の細胞の核にあるプリン体が壊れてできるものです。尿酸の合成増加や組織の破壊、腎臓での尿酸排泄の低下などで血中の尿酸濃度は高くなり、関節に沈着し痛風を、腎臓に沈着し腎障害をおこします。また慢性的に尿酸値が高いと動脈硬化を引きおこす危険性があります。
2.57.0
C反応性蛋白
(CRP)
mg/dL 0.0000.140体内に炎症(リウマチ熱、細菌感染など)があるとき血液中に現れる蛋白質(C反応性蛋白)の量を測定するものです。高値のときは原因となる炎症性疾患について、検査を受ける必要があります。
尿素窒素(BUN)mg/dL 8.022.0尿素窒素は蛋白が身体の中で分解されたときにできる老廃物で、これらは腎臓から尿中に排出され
ます。腎臓での排泄が低下すると、血液中の尿素窒素の濃度が高くなります。
クレアチニンmg/dL0.611.04クレアチニンは筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され排泄されるため、腎機能のもっとも重要な指標とされています。
0.470.79
e-GFR
(推算糸球体濾過量)
ml/min/1.732 60.0 腎臓が老廃物を排泄する能力を調べる検査で、血清クレアチニン値と年齢と性別から推算します。慢性腎臓病(CKD)の重症度評価に用いられます。
アミラーゼU/L 37125膵臓に含まれる消化酵素のひとつです。アルコールの飲みすぎや脂肪のとりすぎ等で膵細胞が破壊されると、アミラーゼが上昇します。高値の場合、膵疾患のほか、腸閉塞、卵巣腫瘍、肝炎、腎不全等が疑われます。
血球系検査白血球数(WBC)103/μL3.99.8生体を細菌やウイルスから守る免疫に役立つ細胞です。感染症や喫煙、ストレス等で高値を示しますが、まれに重大な血液系の病気(白血病など)のこともあります。
3.59.1
赤血球数(RBC)104/μL427570身体に酸素を運ぶ血球成分です。少ない場合は貧血を、多い場合は多血症を疑います。
376500
血色素量
(Hb・ヘモグロビン)
g/dL13.517.6赤血球の中に含まれる酸素などを運ぶ成分です。低下すると貧血症状が生じます。
胃十二指腸潰瘍など消化管からの出血、女性の生理出血、鉄分の不足や血液疾患などが原因になることがあります。
11.315.2
ヘマト
(Ht・ヘマトクリット)
%39.851.8血液は、細胞成分の血球と液体成分の血漿に大別でき、ヘマトクリット値は、血液中の血球の割合を示します。貧血があると低下し、多血症のときは増加します。
33.444.9
MCVfL82.7101.6赤血球恒数:以下の3つの恒数をさします。
MCV:平均赤血球容積と呼び、赤血球一個あたりの容積(大きさ)を示します。
MCH:平均赤血球ヘモグロビン量と呼び、赤血球一個あたりに含まれるヘモグロビン量を示します。
MCHC:平均赤血球ヘモグロビン濃度と呼び、赤血球の一定容積に対するヘモグロビン量の比を示します。
79.0100.0
MCHpg28.034.6
26.334.3
MCHC%31.636.6
30.736.6
血小板数104/μL13.136.2血小板には、出血したときに血液を固めて止血する働きがあります。
血小板が少ない場合は、体の中で血小板が消費されたり破壊が進んでいたりするか、血小板を作る機能が落ちている可能性があり精査が必要です。また、血小板が抗凝固剤として使われるEDTAで凝集する方がおられ、極端な低値となる場合があります。そうした時には再検査が必要になります。
13.036.9

※基準値は当会指定の検査所のデータを参考に設定しているものです。

 

腫瘍マーカー検査(血液検査)

腫瘍マーカー(腫瘍関連検査)は、がんにより体が反応して産生されることのある物質を血液検査等で測定する検査です。
自覚症状のない状態でがんをみつけるきっかけになることがありますが、良性疾患や生活習慣によって異常値を示すことも多く、この検査のみでがんの診断をおこなうことはできません。また、対策型のがん検診の代わりにはなりません。
異常値の場合には精密検査が必要となります。また、検査が正常値でもがんが存在することもあります。関連の精密検査のため、内科を受診してください。PSAは泌尿器科を受診してください。

※スマートフォンなどで表の右側が表示できない場合は画面を横にしてご覧ください。

項目名対象臓器単位基準値※説明
下限上限
AFP定量肝臓ng/mL0.010.0主に肝細胞がんなどで高値となりますが、慢性肝炎、肝硬変、急性肝炎でも高値を示すことがあります。
CEA全体ng/mL0.005.00「がん胎児性抗原」とよばれ、胃がん、大腸がん、膵がん、胆道がんなどの消化器系がんに加え、肺がん、乳がん、甲状腺がんなど多くのがんで高値となります。臓器特異性は低く各種がんの経過観察や再発・転移の確認などに用いられます。喫煙や加齢でも高値を示すことがあります。
前立腺PSA前立腺ng/mL0.0004.000前立腺に関連する物質です。前立腺がんの早期発見や再発の確認に役立つと考えられています。ただし、前立腺肥大や前立腺炎、尿道刺激後にも高値を示すことがあり精密検査で確認することが必要です。
CA125卵巣、
膵臓、
胆道
U/mL0.035.0卵巣がん、膵がん、胆道がんなどで高値となります。女性の場合、月経時や妊娠初期に上昇し閉経後に低下するなど性周期にかかわる変化があります。また、良性卵巣のう腫や子宮内膜症、子宮筋腫、炎症、腸閉塞、膵炎、胆のう炎などの良性疾患や炎症性疾患でも高値を示すことがあります。
CA15-3乳房U/mL0.025.0乳がんなどで高値となります。乳がんへの特異性は高いですが、原発性乳がんに比べ転移性乳がんや再発性乳がんでの陽性率が高く、再発の発見や治療効果の判定に用いられます。
エラスターゼ
(エラスターゼ1)
膵臓ng/dL0300膵がんの腫瘍マーカーの1つですが、急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪期、膵臓の障害で高値となります。他の膵酵素に比べ、一度上昇すると高値が持続することがあります。
シフラ
(シフラ21-1)
ng/dL0.03.5肺がん(特に扁平上皮がん)などで高値となります。化学療法や手術後の治療効果補助に用いられます。間質性肺炎や結核などの肺良性疾患、 食道がん、子宮頸がんなどでも高値となることがあります。
CA19-9膵臓・胆道・胃・大腸・卵巣U/mL0.037.0膵がん、胆道がん、胃がん、大腸がんなどで高値となり、治療を含めた臨床経過をよく反映します。胆石症、糖尿病、膵炎、肝硬変、卵巣のう腫などの良性疾患でも高値を示すことがあります。

 ※胆道がん:胆のうがん、胆管がん

心電図検査

心電図検査とは、心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を波形として記録し、その波形から心臓の状態を把握する検査です。
心臓は私たちの意志とは関係なく、規則的に電気的興奮がおこり、これを心臓各部に伝え、心筋の収縮を起こし、血液を全身に送っています(心臓のポンプ機能)。このような心臓の電気的変化をグラフ化したのが心電図です。

心電図検査の所見はミネソタコードを当会で一部修正追加したもので記載しています。
ミネソタコードとは、心電図検査の所見を客観的、統一的に表現するために、アメリカのミネソタ大学で発案された所見のコード体系です。世界中で広く採用され、疫学調査、集団健診等の判定などに役立っています。このコードで所見を記録することで、異なった集団の成績が相互に比較できるようになり、職域における成人病の経年にわたる管理に役立ちます。

※心電図の判定は、心電図所見と血圧測定値等の結果を総合して判定区分を決定しています。

 ミネソタ・コード所見名  ミネソタ・コード所見名
異常なし1-0異常なし




7-5V1・2のRR’型


Q
1-1心筋梗塞等(陳旧性含む)7-6不完全左脚ブロック
1-1-1心筋梗塞等(陳旧性含む)7-7左脚前枝ブロック
1-1-2幅広い異常Q波7-8右脚+左脚前枝ブロック
1-1-3側壁の幅広い異常Q波7-9左脚後枝ブロックの疑い
1-1-4心筋梗塞等(陳旧性含)下壁

8-0-1上室期外収縮
1-1-5心筋梗塞等(陳旧性含)下壁8-0-2心室期外収縮
1-1-6心筋梗塞等(陳旧性含)前壁8-1-1上室期外収縮(頻発)
1-1-7心筋梗塞等(陳旧性含)前壁8-1-2心室期外収縮(頻発)
1-2異常Q・QS波8-1-4移動性心房調律(正常)
1-2-1異常Q波8-2-1心室細動・心停止
1-2-2幅広いQ波8-2-2心室固有調律
1-2-3異常Q波8-2-3心室頻拍(間欠性)
1-2-4異常Q波(下壁)8-2-4心室副収縮
1-2-5異常Q波(下壁)8-2-5心室期外収縮(2連発)
1-2-6異常Q波(下壁)8-2-6心室期外収縮(多形性)
1-2-7異常QS波(前壁)8-2-7心室補充収縮
1-2-8r波減高8-2-8心室期外収縮(RonT)
1-3q波8-3-1心房細動
1-3-1q波8-3-2心房粗動
1-3-2QS波(前壁)8-3-3心房細動(間欠性)
1-3-3q波(側壁)8-3-4心房粗動(間欠性)
1-3-4q波(下壁)8-4-1異所性心房調律(ほぼ正常)
1-3-5q波(下壁)8-4-2発作性上室頻拍
1-3-6q波(下壁)8-4-3ブロックを伴う上室期外収縮
1-3-8r波増高不良8-4-4間欠性異所性上室調律の疑い
Q
R
S


2-1左軸偏位8-4-5上室期外収縮(2連発)
2-1-1左軸偏位(高度)8-4-6上室期外収縮(多源性)
2-1-2左軸偏位(軽度)8-4-7上室補充収縮
2-2右軸偏位(高度)8-4-8左房調律
2-3右軸偏位(軽度)8-4-9房室接合部調律
2-4高度の軸偏位8-5-1洞房停止
2-5不定軸8-5-2洞房ブロック
R


3-1左室側高電位差8-5-3洞不全症候群
3-2右室側高電位差8-5-4洞性不整脈
3-3左室側高電位差の疑い8-6房室解離
3-4両室側高電位差8-7頻脈
S
T

4-1-1ST低下(極高度)8-7-1頻脈(高度)
4-1-2ST低下(高度)8-7-2頻脈(中等度)
4-2ST低下(中等度)8-7-3頻脈(軽度)
4-3ST低下(軽度虚血型)8-7-4QRS幅の広い頻拍
4-4ST低下(軽度非虚血型)8-7-5QRS幅の狭い頻拍
4-5ST低下(軽微)8-8徐脈
4-6ST低下(軽微正常)8-8-1徐脈(高度)



5-1陰性T波(高度)8-8-2徐脈(中等度)
5-2陰性T波(中等度)8-8-3徐脈(軽度)
5-3陰性T波(軽度)8-9-1上室期外収縮(散発)
5-4平低T波8-9-2心室期外収縮(散発)
5-5その他の陰性T波8-9-9その他の不整脈





6-1完全房室ブロック

9-1低電位差
6-2Ⅱ度房室ブロック9-1-1低電位差(肢誘導)
6-2-1Ⅱ度房室ブロック(MⅡ型)9-1-2低電位差(胸部誘導)
6-2-2Ⅱ度房室ブロック2対1等9-2ST上昇
6-2-3Ⅱ度房室ブロック(W型)9-2-3ブルガダ型(coved)
6-3Ⅰ度房室ブロック9-2-4ブルガダ型(SB)
6-3-1Ⅰ度房室ブロック(中高度)9-2-5ブルガダ型の疑い
6-3-2Ⅰ度房室ブロック(軽度)9-3-1右房負荷
6-4WPW症候群9-3-2左房負荷
6-4-1WPW症候群(持続性)9-4-1反時計回転(正常)
6-4-2WPW症候群(間欠性)9-4-2時計回転(正常)
6-4-3WPW症候群の疑い9-4-3右胸心
6-5PQ短縮9-5T波増高
6-6-1変行伝導現象9-5-1T波増高(高度)
6-8人工ペースメーカー作動中9-5-2T波増高(軽度)





7-0-4他の一過性心室内伝導異常9-6-1陰性U波
7-1完全左脚ブロック9-6-2U波増高
7-1-1完全左脚ブロック(持続性)9-7QT延長
7-1-2完全左脚ブロック(間欠性)9-7-2QT延長の疑い
7-2完全右脚ブロック9-8-1記録不良(判定困難)
7-2-1完全右脚ブロック(持続性)9-8-2記録不良(判定可能)
7-2-2完全右脚ブロック(間欠性)9-9その他の所見
7-3不完全右脚ブロック9-9-9その他の所見
7-4心室内ブロック  

心電図検査の所見説明

 所見CD所見名所見説明
 1-0異常なし心電図に異常な所見を認めません。
異常Q波1-1-1 ~ 1-1-7心筋梗塞等 (陳旧性含む)心筋症などの重大な所見の可能性があります。受診の可否は判定区分を参照してください。
1-2-1
1-2-2
1-2-3
異常Q波心筋梗塞・心筋症などの疾患の他、健常者にもこの所見が見られることがあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-2-4
1-2-5
1-2-6
異常Q波(下壁)心筋梗塞・心筋症などの疾患の他、肥満者にもこの所見が見られることがあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-3-1q波左心室肥大・心筋梗塞などの疾患の他、健常者にもしばしば見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-3-2QS波(前壁)左心室肥大・心筋梗塞などの疾患の他、高身長・痩せ型の健常者にも見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-3-3q波(側壁)左心室肥大・心筋梗塞などの疾患の他、健常者にもしばしば見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-3-4q波(下壁)心筋梗塞のこともありますが、肥満者にもしばしば見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
1-3-8r波増高不良左心室肥大や回復後の心筋梗塞のこともありますが、健常者にもしばしば見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
QRS軸偏位2-1左軸偏位心臓を収縮させるための電気の流れが左に偏っています。左心室肥大などの疾患の他に肥満者・高齢者にも見られ、この所見のみではあまり問題にはなりません。
2-1-1左軸偏位(高度)心臓を収縮させるための電気の流れが左に偏っています。左心室肥大などの疾患の他、肥満者・高齢者にも見られることがあり、この所見のみではあまり問題にはなりません。
2-1-2左軸偏位(軽度)心臓を収縮させるための電気の流れが左に偏っています。左心室肥大などの疾患の他、肥満者・高齢者にも見られ、この所見のみではあまり問題にはなりません。
2-2右軸偏位(高度)心臓を収縮させるための電気の流れが右に偏っています。重症肺疾患で心臓に負担がかかるときに見られますが、痩せ型の健常者にも見られます。この所見のみではあまり問題にはなりません。
2-3右軸偏位(軽度)心臓を収縮させるための電気の流れが右に偏っています。重症肺疾患で心臓に負担がかかるときに見られますが、痩せ型の健常者(特に若い女性)にも見られます。この所見のみではあまり問題にはなりません。
2-5不定軸心臓を収縮させるための電気の流れが左に偏っているか右に偏っているか判断ができない状態です。この所見のみではあまり問題にはなりません。
R波増高3-1左室側高電位差左心室肥大のこともありますが、健常者(高身長・痩せ型の若い男性が多い)にも見られます。この所見のみではあまり問題になりません。
3-3左室側高電位差の疑い左心室肥大のこともありますが、健常者(高身長・痩せ型の若い男性が多い)にも見られます。この所見のみではあまり問題になりません。
ST低下4-1-1ST低下(極高度)狭心症・高度の心肥大等に伴う重大な所見の可能性があります。特に胸痛など自覚症状がある場合は早急に循環器科を受診してください。
4-1-2ST低下(高度)狭心症・高度の心肥大等に伴う重大な所見の可能性があります。特に胸痛など自覚症状がある場合は早急に循環器科を受診してください。
4-2ST低下(中等度)狭心症等に伴う重大な所見の可能性がありますが、痩せ型の若い健康女性にも見られる所見です。受診の要否は判定区分を参照してください。胸痛など自覚症状がある場合は早急に循環器科を受診してください(特に高血圧・脂質異常症・糖尿病のある中高年者)。
4-3ST低下(軽度虚血型)狭心症等に伴う重大な所見の可能性がありますが、痩せ型の若い健康女性にも見られる所見です。受診の要否は判定区分を参照してください。
4-4ST低下(軽度非虚血型)狭心症等の可能性がありますが、痩せ型の若い健康女性にも見られる所見です。受診の要否は判定区分を参照してください。
4-5ST低下(軽微)健康女性にも見られますが、心臓肥大・狭心症のこともあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
4-6ST低下(軽微正常)心臓肥大・狭心症もないとはいえませんが、ほとんどの場合、重大性はありません。
T波異常5-2陰性T波(中等度)心筋梗塞・心筋症などで見られることがあり、原因を調べるため循環器科で精密検査をお勧めする場合があります。健常者(特に若い女性)でも見られることがあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
5-3陰性T波(軽度)虚血性心疾患や心筋梗塞など様々な原因が考えられ、健常者(特に女性)に見られることもあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
5-4
平低T波
心筋梗塞や左室肥大など様々な原因が考えられ、健常者に見られることもあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
5-5その他の陰性T波様々な原因が考えられ、健常者に見られることもあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
心房伝導障害6-3Ⅰ度房室ブロック心臓の上部での電気の流れに時間がかかっている状態です。
6-3-2Ⅰ度房室ブロック(軽度)心房から心室への刺激伝達に軽度の不具合が見られます。健常者(特に若い人)にも見られますので、受診の要否は判定区分を参照してください。めまい、失神などがある場合は循環器科を受診してください。
6-4-1 6-4-2WPW症候群(持続性) WPW症候群(間欠性)心房と心室の間に正常な電気刺激伝導路とは別の副伝導路が存在し、心室の早期興奮が生じる病態です。受診の要否は判定区分を参照してください。
6-5PQ短縮心房から心室へ刺激の伝わる時間が通常より短く、刺激伝達路に異常の疑いがあります。心臓の拍動が危険なほどに早くなることがあるかもしれません。発作的に動悸を感じることがあれば、循環器科を受診してください。
心室伝導障害7-2-1完全右脚ブロック(持続性)心室内にある3本の刺激伝達路のうち右1本に障害があり伝達されない状態です。高血圧など様々な原因があるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
7-2-2完全右脚ブロック(間欠性)心室内にある3本の刺激伝達路のうち右1本の伝達にときおり障害が起こる状態です。高血圧などいろいろな原因があるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
7-3不完全右脚ブロック心室内にある刺激伝達路の異常を疑う所見ですが、正常でもときどき見られ、これだけではあまり問題になりません。受診の要否は判定区分を参照してください。
7-5V1・2のRR’型波形に変化がありますが重大な所見ではなく、これだけではあまり問題になりません。
不整脈8-1-1上室期外収縮(頻発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心房から異常な刺激が頻繁に発生し、心拍が不規則になります。ほとんどの場合、治療は不要ですが、原因や心房細動に進展する危険性を評価するため、受診をお勧めすることがあります(特に中年女性・高齢者)。判定区分を参照してください。
8-1-2心室期外収縮(頻発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心室から異常な刺激が頻繁に発生し、心拍が不規則になります。動悸や失神がなければ治療は不要ですが、精査が必要なこともあるので、循環器科を受診してください。
8-1-4移動性心房調律(正常)本来は心臓を収縮させる刺激発生場所は一定ですが、その場所が心房内で移動しているのが見られます。この所見だけでは問題ありません。
8-2-5心室期外収縮(2連発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心室から異常な刺激が2回連続して発生し、心拍が不規則です。これが頻繁にあると動悸や失神の原因になるので、判定区分を参照の上、循環器科を受診してください。
8-2-6心室期外収縮(多形性)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心室内の複数の場所から異常な刺激が発生し、心拍が不規則です。重大な心疾患との関係も考えられるので、循環器科を受診してください(特に動悸や失神があるときは速やかに)。
8-2-8心室期外収縮(RonT)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心室から異常な刺激が前の心拍に重なって発生しています。失神が起きることもあるので、判定区分を参照の上、循環器科を受診してください。
8-3-1心房細動心房が無秩序に活動し非常に不規則な心拍が生じています。弁膜症・心筋症・甲状腺機能亢進症などで見られます。心房内に血液の塊ができて脳梗塞を起こすことがあります。また、脈が極端に速かったり遅かったりすると、全身に十分な血液を送れなくなり、動悸・息切れが起こります。早めに循環器科を受診してください。
8-4-1異所性心房調律 (ほぼ正常)心臓を収縮させる刺激が、心房内の通常以外の場所から発生しています。この所見だけでは特に問題はありません。
8-4-5上室期外収縮(2連発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心房から不定期な刺激が2回続けて発生し、心拍が不規則になります。原因や危険な不整脈との関連について精査が必要なので、循環器科を受診してください。
8-4-6上室期外収縮(多源性)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心房の複数の場所から異常な刺激が多発し、心拍が不規則になります。原因や危険な不整脈との関連について精査が必要なので、循環器科を受診してください。
8-5-4洞性不整脈脈が吸気に速まり呼気に遅くなる正常の現象(呼吸性不整脈)である可能性が高いですが、それ以外の原因で脈の間隔に変化が見られることもあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
8-7-3頻脈(軽度)1分間に100~119回以上のやや速い心拍が見られます。緊張・発熱・重症貧血・甲状腺機能亢進症などに見られますが、心疾患によることもあります。
8-7-4QRS幅の広い頻拍心室頻拍ないし変行伝導現象やWPW症候群による上室頻拍などの重大な不整脈(脈の速い状態)が考えられます。循環器科を受診してください。
8-7-5QRS幅の狭い頻拍上室頻拍や心房粗動などの治療を検討すべき不整脈(脈の速い状態)が考えられます。循環器科を受診してください。
8-8-1徐脈(高度)1分間に40回以下の通常より非常に遅い心拍です。心疾患による可能性が高いですが、マラソンや水泳などの強く長い運動習慣のある方、自律神経の異常、甲状腺機能低下などでも見られます。心拍が少ないために息切れ・めまい・失神が起こるときは、早急に循環器科を受診してください。
8-8-2徐脈(中等度)1分間に41~45回の通常より遅い心拍です。マラソンや水泳などの強く長い運動習慣のある方、自律神経の異常、甲状腺機能低下などで見られ、心疾患による可能性もあります。心拍が少ないために息切れ・めまい・失神が起こるときは、早急に循環器科を受診してください。
8-8-3徐脈(軽度)1分間に46~50回の通常よりやや遅い心拍です。マラソンや水泳などの強く長い運動習慣のある方、自律神経の異常、甲状腺機能低下などで見られますが、心疾患による可能性もあります。受診の要否は判定区分を参照してください。
8-9-1上室期外収縮(散発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心房から異常な刺激が発生し不整な拍動があります。高血圧、心臓病、貧血などや緊張、ストレスにより見られることがあります。
8-9-2心室期外収縮(散発)心臓を収縮させる通常の刺激以外に、心室から異常な刺激が発生し不整な拍動があります。心臓病以外に健常者でも緊張、ストレスなどで見られる場合があります。
その他9-1低電位差心電図の全体の波の高さが通常より低いことをいいます。心臓の周囲に水が溜まっている場合や肺の空気量が増加する肺気腫や肥満の方にも見られます。
9-2ST上昇放置してよいものから至急受診を要するものまで、いろいろあるので、判定区分に従ってください。痩せ型の若い男性には正常でも見られます。急性心筋梗塞にも見られるので、胸痛など自覚症状がある場合は、早急に循環器科を受診してください(特に中高年男性、高血圧・脂質異常・糖尿病のある人は要注意)。
9-2-3ブルガダ型(coved)危険な不整脈(心室細動、心室頻拍)がおこる可能性があります。循環器科受診をお勧めします。特に過去に失神発作があるとき、近親者に突然死した人がいるときは必ず受診してください。
9-2-4ブルガダ型(SB)危険な不整脈(心室細動、心室頻拍)がおこる可能性があります。過去に失神発作があるとき、近親者に突然死した人がいるときは循環器科を受診してください。
9-2-5ブルガダ型の疑いブルガダ型心電図として典型的ではありませんが、可能性も否定できません。過去に失神発作がある場合、近親者に突然死した人がいる場合は循環器科を受診してください。
9-3-1右房負荷右心房が拡大している所見が見られます。先天性の心臓病・肺高血圧などの疾患の他、胸郭の変形にも見られます。他の所見と合わせて総合判断するので、判定区分に従ってください。
9-3-2左房負荷左心房が拡大している所見が見られます。左心室肥大・心臓弁膜症などの疾患の他、高身長、漏斗胸などにも見られます。他の所見と合わせて総合判断するので、判定区分に従ってください。
9-4-1反時計回転(正常)心臓の位置がやや左回り(反時計方向)に回転していることをいいます。一般的に問題はありません。
9-4-2時計回転(正常)心臓の位置がやや右回り(時計方向)に回転していることをいいます。一般的に問題はありません。
9-5-1T波増高(高度)T波が高いです。心室肥大や高カリウム血症などで見られることがありますが、健常者にもしばしば見られます。受診の要否は判定区分を参照してください。
9-5-2T波増高(軽度)T波がわずかに高いです。心室肥大や高カリウム血症などで見られることがありますが、健常者であり放置してよい可能性が高いです。受診の要否は判定区分を参照してください。
9-6-1陰性U波通常上向きを示すU波が下向きになっています。心臓弁膜症・狭心症などに見られることがあります。他の所見と合わせて総合判断するので、判定区分に従ってください。
9-7-2QT延長の疑い心室が収縮している時間が通常よりやや長いです。電解質異常や先天性の心臓病などに見られます。過去に失神発作があるとき、近親者に突然死した人がいるときは循環器科を受診してください。うつ病の治療薬や抗生物質で悪化することがあるので、これらの薬剤を使うときは、主治医と相談してください。
眼底検査

眼底検査とは、瞳孔の奥にある眼底を眼底カメラで撮影し、眼底の血管、網膜、視神経等を調べる検査です。
眼底とは眼球の後内壁面を覆う網膜のことで、瞳孔を通して観察し写真撮影することができます。私たちは網膜の働きでものを見ますので、その出血や変性などは重大な所見です。また、糖尿病性網膜症や緑内障などの失明に至る恐れのある病気を早期に発見できます。さらに、眼底にある動脈を観察して、高血圧性変化や動脈硬化の程度を調べます。

検査結果H:高血圧性変化 検査結果S:動脈硬化性変化
0異常所見なし。0異常所見なし。
網膜細動脈が軽度に狭細化、進行すると第二枝以下に特に著明に認められます。軽度の動脈壁反射亢進と軽い交叉現象が認められます。
高血圧性変化のⅠより著しい細動脈狭細化と細動脈の口径不同が認められます。動脈硬化性変化のⅠの所見が著しくなります。
高血圧性変化のⅡの所見がさらに著しくなり、網膜出血や白斑がみられます。銅線動脈がみられます。
交叉現象がさらに著しくなります。
高血圧性変化のⅢの所見に乳頭浮腫が加わったものです。銀線動脈がみられます。

上記の「Scheieの分類」以外に所見のある方は下記の所見を記載しています。

所見名称所見説明
乳頭陥凹拡大
[にゅうとうかんおうかくだい]
緑内障の疑いがある所見です。視野が欠ける恐れがあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
豹紋状眼底
[ひょうもんじょうがんてい]
網膜の色素が少なく血管などが透けて模様が見える状態で、強い近視の人や高齢者に見られます。病気ではないので検査や治療の必要はありません。
硬性白斑
[こうせいはくはん]
高血圧・糖尿病などによって障害された網膜血管の周囲に生じます。これらの疾患の主治医に相談してください。
ドルーゼン
(ドルーゼ)
加齢変化と思われ直ちに危険はありませんが、年1回くらい眼底検査を受けてください。黄斑変性の指摘があれば、眼科を受診してください。
出血(疑い)眼底の出血はいろいろな原因が考えられ、重大なものもあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
緑内障(疑い)放置すると視野が欠ける恐れがあります。眼科受診してください。眼圧が高いものと正常なものがあります。
網脈絡膜萎縮
[もうみゃくらくまくいしゅく]
いろいろな原因で起きるので一概にいえませんが、視力低下を起こす場合もあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
白内障(疑い)眼のレンズにあたる水晶体に濁りが起きる病気で、視力低下が進むと手術が必要になります。霧がかかったようで見えにくい、明るいところで極端にまぶしいなどの症状があれば眼科受診をお勧めします。
交叉現象
[こうさげんしょう]
網膜の動脈と静脈が交差する部位の所見で、動脈硬化の程度をⅠ~Ⅲ度(数字が大きいほど硬化が強い)で表します。高血圧・糖尿病・脂質異常症などがあれば、主治医と相談してください。
網膜変性
[もうまくへんせい]
夜盲・視野狭窄・視力低下を起こす網膜色素変性の疑いがある所見です。受診の要否は判定区分を参照してください。
蛇行網膜の血管に硬化が起こり蛇行する現象です。高血圧・糖尿病・脂質異常症などが原因になることが多いので、主治医と相談してください。
網膜前膜
[もうまくぜんまく]
網膜の中で特に重要な黄斑部に膜のようなものができて視力が低下する病気です。手術が必要になることもあるので、受診の要否は判定区分を参照してください。
黄斑変性(疑い)
[おうはんへんせい]
網膜の中で特に重要な黄斑部に変化が起きる病気で、50歳以上の日本人では約1%に見られるといわれています。ものがゆがんで見えるなどの症状があり、失明の恐れがあるので、眼科受診をお勧めします。
黄斑部所見
[おうはんぶしょけん]
黄斑は網膜の中心にある小部分ですが、ものを見るためにきわめて重要な役割があります。この部分に変性や浮腫、出血などがあるときは、眼科受診が望ましいと思われます。
コーヌス近視などに伴って網膜が引き伸ばされ薄くなって外側に構造が見える状態です。普通は重大ではありませんが、まれに網膜はく離が起きるので、年1回くらいは眼底検査を受けてください。
乳頭部所見
[にゅうとうぶしょけん]
乳頭は視神経や血管などが後方から眼球の中に入ってくる場所で、少し窪んでいます(陥凹)。陥凹拡大は緑内障の疑いがあります。健診ではまれですが、浮腫があれば脳腫瘍を疑います。
胸部レントゲン検査

胸部レントゲン検査は、胸部にX線を照射して、肺・心臓・両肺の間にある縦隔などの器官の異常を調べる検査です。
肺結核・肺炎などの肺の炎症、肺がん等の発見を主目的とします。精密検査が必要と判定されたときは呼吸器科専門医(大動脈・心臓の異常は循環器科)を受診してください。
※健康診断における胸部レントゲン検査は新型コロナウイルスに罹患しているかどうかを診断する検査ではありません。

心大血管以外の所見

よく見られる所見所見説明
胸膜肥厚
[きょうまくひこう]
胸膜とは肺を包む膜で、その厚みが異常に増した状態が胸膜肥厚です。細菌やウィルス等による炎症が治癒した跡で、治癒像のひとつです。大半は心配のない所見(有所見健康)ですが、治癒像と言い切れないときに要経過観察または要精密検査とすることがあります。
硬化影
[こうかえい]
細菌・ウィルス感染等による炎症が治癒した跡です。大半は心配のない所見(有所見健康)ですが、治癒像と言い切れないときに要経過観察または要精密検査とすることがあります。
胸膜癒着
[きょうまくゆちゃく]
胸膜の一部が炎症のため癒着するもので、胸膜肥厚と同様に治癒像です。大半は心配のない所見(有所見健康)ですが、治癒像と言い切れないときに要経過観察または要精密検査とすることがあります。
線状影
[せんじょうえい]
種々の原因で、線状(1本、複数本)の陰影がレントゲン写真に写った状態です。心配ない(有所見健康)場合が多いですが、要経過観察または要精密検査とすることがまれにあります。検査着の写りこみの場合もあるので確認のため再検査とすることがあります。
索状影
[さくじょうえい]
線状影よりもやや太い陰影です。ほとんどの場合、炎症の治癒後にできる陰影です。
粒状影
[りゅうじょうえい]
粒状影はいろいろな原因で現れます。健常者でもこの所見がつくことがあります。じん肺検診では重要な所見です。要精密検査と判定されたとき及び息切れの症状があるときは呼吸器科を受診してください。
脊柱変形(側弯)
[せきちゅうへんけい(そくわん)]
胸部X線で脊柱も写ります。側弯症や変形性脊柱症などで変形が認められる場合に所見としてあげています。成人では大半は心配のない所見(有所見健康)ですが、受診の要否は判定区分を参照してください。
結節影
[けっせつえい]
過去に肺結核をおこしている場合や肺の腫瘍性病変の場合に見られる円形に近い陰影です。活動性肺結核や悪性腫瘍が否定できないときは精密検査を指示することがあります。
肺紋理増強
[はいもんりぞうきょう]
肺血管の陰影が異常に強調されている所見です。肺血管の写り方にはいろいろなことが影響するので健常者でもこの診断がつくことがあります。要精密検査の判定の場合は循環器内科または呼吸器内科を受診してください。
横隔膜挙上
[おうかくまくきょじょう]
片方または両方の横隔膜が通常の位置より上昇して見える場合です。肥満者ではお腹に脂肪が溜まり横隔膜を押し上げることがあります。種々の原因が考えられ、心配ない(有所見健康)場合が多いですが、要経過観察、要精密検査とすることもあります。
肋骨変形
[ろっこつへんけい]
先天性の場合または骨折後(いずれも有所見健康)のほかに、まれに骨を溶かす腫瘍性の病気を患った場合に見られます。
ブラ(肺のう胞)肺組織の中に生じた気体が入った袋状のもので、破れて気胸を起こすことがあります。大きい場合は要経過観察とすることがあります。喫煙等は控えてください。
異常陰影危険性や疾患の種類をこの段階で特定することができない異常な所見を認める時の診断で、精密検査が必要です。
石灰化像細菌・ウィルス感染等による炎症が治癒した跡です。カルシウム等の沈着によるもので普通は心配ない(有所見健康)ですが、治癒像と言い切れないときに要経過観察または要精密検査とすることがあります。
気胸
[ききょう]
胸膜の一部が破れ、空気が胸腔内に漏れ出て、肺が圧迫された状態です。治療が必要です。呼吸器科専門医を受診してください。
気管支拡張像
[きかんしかくちょうぞう]
気管支の拡張した状態です。時々炎症が加わる場合があります。自覚症状(慢性的な咳・痰、呼吸困難、痰に血液が混じるなど)があれば専門医への受診が必要です。
人工的異物手術による金属片やペンダントやネックレスなど、人工的異物による影が見える場合です。心配はありませんが、外装品が原因の場合は次回は必ず外してご受診ください。

心大血管所見

よく見られる所見所見説明
大動脈硬化
[だいどうみゃくこうか]
大動脈が硬化している様子が見えます。いわゆる動脈硬化です。
主として年齢によります。日頃の生活習慣(食べ物、運動、嗜好)に気を付けてください。
大動脈拡大
[だいどうみゃくかくだい]
大動脈の径が正常範囲よりも太い場合をいいます。状態によって精密検査を指示することがあります。
大動脈弓突出
[だいどうみゃくきゅうとっしゅつ]
主として動脈硬化などで、大動脈弓の突出した状態をさします。状態によって精密検査を指示することがあります。
(大動脈弓とは心臓から上向きに出た大動脈が胸の中でカーブして下に向きを変える部分のことです。)
心形状拡大
[しんけいじょうかくだい]
肺野に対する心臓陰影の大きさの比(心胸比)が55%を超えている場合、あるいは、肺動脈幹や心房、心室が部分的に拡大している場合です。肥満者ではお腹に脂肪が溜まり心臓を押し上げて拡大と判定されることがあります。はなはだしい拡大や心形状変化を伴う拡大は精密検査を指示することがあります。
喀痰細胞診

喀痰細胞診は、痰の中の細胞成分を顕微鏡でみる検査です。肺門部の肺がんは、扁平上皮がんがほとんどを占めるため、喀痰細胞診は扁平上皮系の細胞異型度で評価を行います。(肺がんには大きく分けて扁平上皮がん・腺がん・小細胞がんの3種類があります。)

肺門部肺がんは心臓や背骨の陰影等の影響でレントゲン写真では診断が難しいですが、痰の中にがん細胞が出やすいので喀痰細胞診が利用されています。40歳以上の喫煙者で常時、痰が出る方に特に受診をお勧めします。

日本肺がん学会、肺がん細胞診判定基準改訂委員会の判定区分にもとづきABCDEに分類されます。

クラス分類検査結果の説明判定区分
検体不良(A)喀痰中に組織球がないため、喀痰が採れていないと考えます。再度検査が必要です。R1
B変わった形の細胞(異型細胞)は全く認められないか、または炎症性の軽度の異型扁平上皮細胞が認められますが、特に問題ではありません。
1年後に検診を受けてください。
A1
C悪性になる前の段階の中等度の異型細胞を認めましたので、6ヶ月以内に再検査が必要です。G1
D悪性の可能性のある細胞を認めました。精密検査が必要です。G2
E悪性の腫瘍細胞を認めました。早急に精密検査が必要です。G2
胃部レントゲン検査

胃部レントゲン検査は、造影剤(バリウム)を飲み、上腹部にX線を照射して、食道から胃、十二指腸までを観察します。
臓器の形や異常(炎症、潰瘍など)を調べる検査です。
異常が発見された場合の精密検査としては、上部消化管内視鏡を行うのが一般的です。

コード対応表胃部X線検査の所見は日本語表示の他にコードで表示いたします。
【例:6-0-6(部位1-部位2-所見)は、「十二指腸球部変形」となります。】
部位1部位2所見所見説明
1.食道0.その他1.硬化胃壁のやわらかさがなく、伸縮性が悪い状態
2.噴門1.前壁2.壁不整壁・粘膜表面の乱れた状態
3.胃体部2.後壁3.欠損バリウムの陰影が一部写っていない所見
4.胃角部3.小弯[ しょうわん ]4.ニッシェ潰瘍等の窪んだ部分にバリウムが溜まった所見
5.前庭部4.大弯[ だいわん ]5.レリーフ異常粘膜のひだの走行が異常な状態
6.十二指腸球部 6.変形正常像に比べ辺縁の形が変わっているもの
7.穹窿部[ きゅうりゅうぶ ] 7.充満不良十二指腸球部にバリウムが入らない状態
8.幽門 8.バリウム抜け胃壁の隆起物によってバリウムがはじかれた状態
9.十二指腸 9.バリウム斑粘膜の凹んだ部分にバリウムが溜まった所見
よく見られる所見所見説明
巨大レリーフ胃にある正常のひだが慢性炎症等によって、太くなった状態です。これ自体が疾患というわけではありません。しかし、自覚症状があるようでしたら精密検査が必要です。
慢性胃炎胃粘膜が何らかの原因で持続的に炎症を起している状態です。表層性胃炎から萎縮性胃炎に至るまで、いろいろな段階があります。ピロリ菌感染が疑われます。
萎縮性胃炎胃腺細胞の減少をもたらす胃粘膜の慢性炎症です。ピロリ菌感染が続いた後に見られることが多く、年1回以上の経過観察が必要です。
びらん性胃炎胃の粘膜に起きた炎症によって粘膜表面に損傷が見られる状態です。
ポリープ(疑い)胃粘膜が隆起して起こる病変です。胃にできるポリープはほとんどが良性です。「疑い」の場合は撮影時の気泡等の陰影の場合があります。
憩室[ けいしつ ]憩室は食道の壁、胃、十二指腸の壁が外に向かってふくれ出て小さな袋を作っている状態です。
隆起性病変(疑い)
[りゅうきせいびょうへん]
腫瘍・ポリープなど胃・十二指腸等の粘膜表面が盛り上がった状態です。「疑い」の場合はひだやバリウムのむらによる陰影の場合があります。
食道裂孔ヘルニア
[しょくどうれっこう]
食道が通る横隔膜の穴を食道裂孔といい、この穴から本来、腹腔内にあるべき胃の一部が胸腔内に脱出している状態です。胸焼けの原因になることがあります。
潰瘍瘢痕(疑い)
[ かいようはんこん ]
胃・十二指腸潰瘍の治った跡を瘢痕といいます。現在は治った状態ですからあまり心配することはありません。しかし、自覚症状があるようでしたら精密検査が必要です。
粘膜下腫瘍
[ねんまくかしゅよう]
胃固有筋層の病変(粘膜の下に出来た腫瘍)により粘膜が内腔に隆起した状態です。
瀑状胃
[ ばくじょうい ]
胃の上部が拡張して背中側に折り曲がった形態異常です。これ自体が疾患というわけでありません。しかし、不快感や重圧感などの症状が続くようでしたら精密検査が必要です。
逆流性食道炎
[ぎゃくりゅうせいしょくどうえん]
何らかの原因で胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症をおこしてしまう疾患です。
胃下垂
[いかすい]
胃の下縁が正常よりも下がっている状態で痩せた人に多くみられます。これ自体は疾患ではありません。
胃角部変形
[いかくぶへんけい]
通常はU字型をしている胃角部(胃の曲がり角)の辺縁が直線化し、滑らかに曲がっていない状態です。胃潰瘍・胃炎・がんの場合もありますので精密検査の指示があれば内視鏡検査を受けてください。
球部変形
[きゅうぶへんけい]
十二指腸球部に潰瘍ができることで辺縁が変形している状態です。
食物残渣
[しょくもつざんさ]
胃の中に摂取した食べ物が残っている状態です。
病変と間違える場合もあり、確認のため再検査とすることがあります。
胃がんリスク層別化検査(ABC検診)

胃がんリスク層別化検査(ABC検診)は「ピロリ菌感染の有無を調べる検査」と「胃粘膜の萎縮度を調べる検査」を組み合わせて胃がんになるリスクを分類する検査です。
ABC判定区分は下記の表のとおり、A~D群に分類され、今後の管理・対処法が決まります。

<ABC判定区分>ヘリコバクターピロリ菌の感染有無
(-)(+)
ペプシノーゲン法
(萎縮度)
(-)A群B群
(1+ ~3+)D群C群

※スマートフォンなどで表の右側が表示できない場合は画面を横にしてご覧ください。

ABC判定区分判定説明判定
区分
A群ピロリ菌感染・胃粘膜萎縮はいずれも否定的で、胃がんになる危険性が比較的低いと考えられています。A1
B群ピロリ菌に感染している疑いがあります。胃粘膜の萎縮は軽度ですが、胃潰瘍・胃がんになる危険性を否定できないので、ピロリ菌を除菌し定期的に画像検査等を実施することが望ましいです。G2
C群ピロリ菌感染および萎縮性胃炎があります。胃がんになる危険性があるので、ピロリ菌を除菌し定期的に内視鏡検査を実施することが望ましいです。G2
D群高度の胃粘膜萎縮がありピロリ菌が住めない状態です。胃がんになる危険性が相当に高いので、年1回以上、内視鏡検査を行い注意深く経過を観察する必要があります。G2

検査対象外となる方

ABC検診を受診しても正確な判定結果が出ないため、検査実施対象外となります。
①ピロリ菌の除菌治療を受けたことがある方
②食道、胃、十二指腸の疾患が強く疑われるような自覚症状がある方
③食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの治療を受けている方
④胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬※)を飲んでいる方(薬を服用中もしくは2か月以内に服用していた方)(プロトンポンプ阻害薬※:オメプラール、タケプロン、パリエット、ネキシウムなど)
⑤胃の切除手術を受けたことがある方
⑥腎不全または腎機能障害がある方(目安:クレアチニン値3mg/dl以上)

大腸がん検査(便潜血検査)

便潜血検査は、便に混じった微量な血液の有無を調べる検査です。便潜血所見(+)の時は、痔や生理中の場合もありますが、消化管(主に大腸・直腸)のがんやポリープ等からの出血も考えられるので、内視鏡検査をすることが望ましいです。

毎年、便潜血検査を行い陽性の場合は、大腸内視鏡を行うことによって、大腸がんで死亡する確率を半分以下に減らすことができます。

便潜血
所見
検査結果判定区分説明 
提出本数
1本
提出本数
2本
提出本数
3本
(-)(-)(-)(-)(-)(-)A1今回、出血は認められませんでした。1年後の健診をお勧めします。
(+)(+)が1ヵ所以上
含まれる
(+)が1ヵ所以上
含まれる
G2悪性腫瘍、ポリープ等による消化器出血の可能性があります。内視鏡による精密検査をお勧めします。
腹部超音波検査(腹部エコー)

腹部超音波検査は、超音波(人の耳には聞こえない高い周波数の音波)を用いて、内臓から返ってくる反射波を画像化して診断する検査です。仰向けに寝て頂き、腹部にゼリーをぬって検査します。

対象とする臓器は、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、腎臓、脾臓、腹部大動脈です。

消化管ガスの影響や体型によって、描出が難しいことがありますので、描出範囲内での評価となります。各臓器の腫瘍(しゅよう)をはじめとして、結石(けっせき)、脂肪肝(しぼうかん)等の生活習慣病と関連が強い所見も発見できます。

よく見られる所見所見説明
肝のう胞(疑い)
[かんのうほう]
肝臓に袋状の組織ができ、その中に水のようなものがたまった状態をいい、良性の疾患です。小さなものは問題はありませんが、大きくなりすぎると周囲組織を圧迫して障害を起こすことがあります。定期的に検査を受け、大きさの確認をすることが必要です。画像上、明確ではなければ疑いになります。2個以上あると多発性になります。
脂肪肝(疑い)
[しぼうかん]
肝臓に脂肪がたまった状態です。主に飲酒や肥満が原因であり、生活習慣病(脂質異常症、糖尿病、高血圧)との合併率が高い疾患です。高度になると肝機能障害を伴い動脈硬化の温床となります。食生活を見直し栄養過剰を避け減量をはかることと酒量を減らすことで治癒が可能な疾患です。画像上、軽度な場合は脂肪肝疑いとします。
肝血管腫(疑い)
[かんけっかんしゅ]
肝臓で頻度が高く発生する良性で海綿状をした血のたまった腫瘍をさします。健診の超音波検査で発見されることが多く、よほど大きくなければ問題はありません。初めて発見されたときや経過観察中に大きさに変化が見られる場合は、念のため精密検査が必要です。また疑いでも精密検査をして問題がないことを確認してください。
肝内石灰化(疑い)
[かんないせっかいか]
肝臓にできたカルシウムの沈着のことをいいます。結核、寄生虫、出血などが原因で形成されたもので、定期的に検査を受け大きさの確認をしてください。画像上、明確でなければ疑いになります。
胆嚢ポリープ(疑い)
[たんのう]
胆嚢の粘膜がコレステロールの塊などで隆起した状態で、自覚症状はありませんが、定期的に大きさを確認してください。10mm以上の場合、悪性の腫瘍との鑑別が必要なために精密検査が必要です。画像上明確でなければ疑いになります。2個以上あると多発性になります。
胆嚢壁在結石(疑い)
[たんのうへきざいけっせき]
胆のうの壁の中に極めて小さな石が見受けられます。胆のう腺筋腫症に特徴的な所見です。
胆嚢結石(疑い)
[たんのうけっせき]
胆のう内に石があります。石の成分は、コレステロール、ビリルビンカルシウム、黒色石成分など多種にわたります。定期的な検査でよいと思われますが、右上腹痛などの症状があるとき、AST・ALT・γ-GT等の異常があるとき、画像上、ポリープ等と識別できないときは受診が必要です。画像上、明確でなければ疑いとなります。
胆嚢腺筋腫症(疑い)
[たんのうせんきんしゅしょう]
胆のうの壁が全周性、または部分的に厚くなっている状態です。今後の対応は判定区分に従ってください。腺筋腫症自体には問題はないですが、他に石を認めたり、悪性の腫瘍を疑う場合があり精密検査を指示する場合があります。
胆嚢壁肥厚(疑い)
[たんのうへきひこう]
胆のうの壁が一部厚くなっています。原因を確認するために精密検査が必要な場合があります。
腎内石灰化(疑い)
[じんないせっかいか]
腎実質にカルシウム・尿酸などが沈着している状態です。炎症性など様々な原因で石灰化がみられます。そのほとんどは良性所見であり、放置しても差し支えありません。
腎結石(疑い)
[じんけっせき]
腎臓内に石があります。腰痛・側腹部痛・血尿などの症状がありましたら、早急に受診が必要です。
のう胞腎(疑い)
[のうほうじん]
両方の腎臓に多数の袋状の組織ができ、その中に水のようなものがたまった状態をいい、先天性(遺伝子異常)と後天性に分類されます。腎機能低下を伴うことが多く、専門機関を受診することが必要です。
腎血管筋脂肪腫(疑い)
[じんけっかんきんしぼうしゅ]
腎臓の中にできる良性の腫瘍で、血管や平滑筋や脂肪成分からできています。経過を見る必要がありますが、初回診断時には精密検査を指示する場合があります。
水腎症(疑い)
[すいじんしょう]
腎臓で産生された尿が膀胱へと移行される過程において何かしらの排泄障害を受け、尿の通り道が拡張してしまっている状態です。精密検査が必要な場合がありますので、受診の要否は判定区分を参照してください。
重複腎盂(疑い)
[じゅうふくじんう]
腎臓の先天的な奇形の一つで腎盂と尿管が2つあるものです。
特に症状がなければ、治療の必要はありません。
腎のう胞(疑い)
[じんのうほう]
臓器に袋状の組織ができ、その中に液体がたまった状態をいい、良性の疾患です。
2個以上のものを多発性とします。小さなものは問題はありませんが、大きくなり周囲組織を圧迫すると障害を起こす可能性があり治療が必要になります。定期的に検査を受け、大きさの確認をすることが必要です。
膵のう胞(疑い)
[すいのうほう]
膵臓に袋状の組織ができ、その中に水のようなものがたまった状態をいい、良性の疾患です。小さなものは問題はありませんが、大きくなりすぎると周囲組織を圧迫して障害を起こすことがあります。定期的に検査を受け、大きさの確認をすることが必要です。
膵管拡張(疑い)
[すいかんかくちょう]
膵臓内を通っている主膵管が拡張している状態です。膵臓に何らかの病変が生じている可能性があります。精密検査を受診してください。
膵診断不能
[すいしんだんふのう]
検査当日の状態(腹腔ガスや肥満等)により膵臓が観察できない状態をさします。
脾腫(疑い)
[ひしゅ]
脾臓が大きく腫れた状態です。肝機能異常や血液疾患などが疑われることがありますので、他の検査を含めて継続的な検査が必要となる場合があります。
脾内石灰化(疑い)
[ひないせっかいか]
脾臓にカルシウムの沈着を認めます。結核、寄生虫、出血などが原因で形成されたもので、定期的に検査を受け大きさの確認をしてください。
脾のう胞(疑い)
[ひのうほう]
脾臓内に袋状の組織ができ、その中に水のようなものがたまった状態をいい、良性の疾患です。小さなものは問題はありませんが、大きくなりすぎると周囲組織を圧迫して障害を起こすことがあります。定期的に検査を受け、大きさの確認をすることが必要です。
副脾(疑い)
[ふくひ]
脾臓の近くに約10%の割合で認められ、通常、病的な意義はありませんが、定期的に検査を受け、大きさの確認をしてください。画像上、明確でなければ疑いとなります。
腫瘍(疑い)
[しゅよう]
腫瘍が疑われます。良性、悪性の判別に他の画像検査が必要となりますので
精密検査を受診してください。肝腫瘍(疑い)、胆のう腫瘍(疑い)、腎腫瘍(疑い)、膵腫瘍(疑い)、脾腫瘍(疑い)があります。
乳がん検査

乳房専用のレントゲン検査です。乳房全体をプラスチック製の板で挟み薄く伸ばしてレントゲン撮影します。この撮影により、初期の乳がんによる腫瘤(白い塊状の影)・石灰化(白い点状または線状の影)・局所的非対称性陰影(腫瘤ほどはっきりしない白い影)などの所見を発見します。これらの影は健康な乳房や乳がん以外の病気でもみられることがあります。そのため専門の医師が読影し、乳がんの可能性を判定しています。判定は下表のカテゴリー分類に基づき表示されています。カテゴリー3、4、5の場合には精密検査が必要ですので乳腺科を受診してください。

カテゴリー分類検査結果の説明判定区分
カテゴリー1異常なし異常所見はありません。A1
カテゴリー2良性異常所見はありますが、明らかに良性と診断できるものです。精密検査の必要はありません。A2
カテゴリー3良性
しかし悪性を否定できず
異常所見があり、良性の可能性が高いですが悪性(乳がん)も否定できません。精密検査を受けてください。G2
カテゴリー4悪性の疑い異常所見があり、悪性(乳がん)の可能性が高いです。早急に精密検査を受けてください。G2
カテゴリー5悪性異常所見があり、ほぼ悪性(乳がん)と考えられます。早急に精密検査を受けてください。G2

※判定医の判断により、判定が変わることがあります。

マンモグラフィ検査所見

よくみられる所見所見説明
石灰化
[せっかいか]
乳房内部に輝度の高いカルシウムが沈着したと考えられる部分が点状や線状の影にみられます。良性疾患でも悪性疾患(乳がん)でもみられることがあります。影の形状や分布範囲などをもとに悪性の可能性を判定しています。
腫瘤
[しゅりゅう]
白い塊上の影です。良性疾患でも悪性疾患(乳がん)でもみられることがあります。影の形状や濃度などをもとに悪性の可能性を判定しています。
局所非対称陰影(FAD)
[きょくしょひたいしょういんえい]
腫瘤ほどはっきりした境界をもたない白い影です。良性疾患でも悪性疾患(乳がん)でもみられることがあります。影の形状や周囲の乳腺の様子などをもとに悪性の可能性を判定しています。

※乳房の構成については 乳房検査の結果についてをご参照ください

 

乳房超音波検査

乳房の表面から超音波の機械をあて、内部の様子を観察する検査です。乳房内部の腫瘤の有無、大きさ、性状などがわかります。またその腫瘤が良性疾患(線維腺腫、のう胞など)か悪性疾患(乳がん)かある程度判別することが可能です。
一方でこの検査はマンモグラフィと違って、乳がんに特徴的にみられる小さな石灰化をみつけることは困難です。
そのため乳がん罹患率が上がる40歳以上の方はマンモグラフィを主に受け、乳房超音波検査は併せて受けていただくことをお勧めします。自覚症状がある場合や精密検査が必要と判定されたときは乳腺科を受診してください。
 

乳房超音波検査所見

よくみられる所見所見説明
乳腺のう胞(疑い)
[にゅうせんのうほう]
乳管がのう状に拡張した状態です。乳管内部に水分がたまることが原因とされています。一般的に良性であることが多く、袋の中身はただの水分なので治療の必要はありません。
ただし、のう胞内に腫瘤(疑い)がある場合は良性の乳頭腫や頻度は少ないもののがんの可能性があります。
乳頭腫(疑い)
[にゅうとうしゅ]
乳管やのう胞内にできる乳管の表面の細胞が盛り上がって増殖するものです。乳頭から血性分泌物がでる原因になることがあります。一部に初期の乳がんとの区別が難しいことがあります。
乳腺線維腺腫(疑い)
[にゅうせんせんいせんしゅ]
30代位の女性に多い良性の腫瘤です。乳腺とその周辺の線維成分が共に増殖して、乳腺内に丸くて弾力があり触ると良く動くしこりができるのが特徴です。小さいものであれば治療の必要はなく、経過を観察します。
2cm以上になる場合や急に大きくなる場合は乳腺科の受診が必要となります。受診の要否は判定区分を参照してください。
石灰化(疑い)
[せっかいか]
乳房内部に輝度の高いカルシウムが沈着したと考えられる部分が点状や線状にみられる状態です。様々な原因で石灰化が生じますが、多くは良性であり放置しても問題ありません。しかし中にはがんに伴って生じる石灰化があります。精密検査受診の要否は判定区分を参照してください。
腫瘤(疑い)
[しゅりゅう]
乳房内で、他の細胞とは異なる組織の塊がみられます。良性・悪性いずれの場合もありますので詳しい検査が必要です。乳腺科を受診してください。
乳管拡張症(疑い)
[にゅうかんかくちょう]
乳管が拡張している状態です。乳腺の分泌過剰や、炎症によるもの、腫瘍などが原因で拡張します。多くは無症状ですが、乳頭から茶褐色や血液が混じった分泌物を生じる場合は、早急に受診が必要です。
乳腺症(疑い)
[にゅうせんしょう]
30~50歳代の女性によくみられるホルモンバランスが崩れることによって乳腺に生ずる様々な良性の病変の総称です。痛みを伴ったりしこりができることもあります。受診の要否は判定区分を参照してください。

 

乳房視触診検査

医師が目で乳房を観察してくぼみがないか、手で触れてしこりがないか、リンパ節が腫れていないか、乳頭から分泌物がないかなどを観察します。しこりを発見することで、乳がんを発見する可能性があります。視触診だけに頼っていると小さなしこり(乳がん)を発見できない可能性がありますので、マンモグラフィや乳房超音波検査と併用する必要があります。

子宮がん検査 子宮頸部細胞診

子宮頸部細胞診は、子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で調べる検査です。
ブラシやヘラなどで子宮頸部を優しくこすり、細胞を採取します。

検査結果細胞診結果補足検査結果の説明クラス分類の目安判定区分
NILM陰性正常または正常範囲内の所見です。正常範囲内では細胞に変化がみられるものも含みますが、炎症・萎縮・刺激などによる良性変化であり心配がない所見です。Ⅰ、ⅡA1
ASC-US軽度の異型扁平上皮細胞
[いけいへんぺいじょうひさいぼう]
子宮頚部の表面を形作っている細胞(扁平上皮細胞)に変化がみられますが、良性悪性の区別がつきません。受診が必要です。Ⅱ-ⅢaC1
ASC-H高度の異型扁平上皮細胞
[いけいへんぺいじょうひさいぼう]
子宮頚部の表面を形作っている細胞(扁平上皮細胞)に変化がみられ、悪性変化の可能性が疑われます。受診が必要です。Ⅲa、ⅢbC1
LSIL軽度の扁平上皮病変
[へんぺいじょうひびょうへん]
子宮頚部の表面を形作っている細胞(扁平上皮細胞)に軽度の異常(異形成)がみられます。受診が必要です。ⅢaC1
HSIL高度の扁平上皮病変
[へんぺいじょうひびょうへん]
子宮頚部の表面を形作っている細胞(扁平上皮細胞)に高度の異常(異形成)がみられます。早急に受診が必要です。Ⅲa、Ⅲb、ⅣC1
SCC扁平上皮がん疑い
[へんぺいじょうひ]
扁平上皮がんが疑われます。早急に受診が必要です。C1
AGC異型腺細胞
[いけいせんさいぼう]
子宮頚部の粘液を分泌する細胞(腺細胞)に変化がみられ、悪性変化の可能性が疑われます。早急に受診が必要です。C1
AIS上皮内腺がん疑い
[じょうひないせん]
上皮内腺がんが疑われます。早急に受診が必要です。C1
Adenoca.腺がん疑い腺がんが疑われます。早急に受診が必要です。C1
other他の悪性腫瘍疑いその他の悪性腫瘍が疑われます。早急に受診が必要です。C1

HPV検査

HPV検査は「高リスク型HPV(ヒトパピローマウィルス)」の有無を調べる検査です。子宮頸部細胞診と同時実施が可能です。
子宮頸がんは高リスク型HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染によって発生します。子宮頸部の細胞に変化が起き、異形成という細胞になります。異形成は軽度→中等度→高度と進み高度異形成からがんに進行します。

16、18型の型別判定と、その他12種類高リスク型HPV(31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型)を検出します。
その他12種類高リスク型HPVの型別判定はできません。

検査結果検査結果判定区分
HPV16型判定(-)A1
(+)C1
HPV18型判定(-)A1
(+)C1
HPVその他高リスク(-)A1
(+)C1

経腟超音波検査(子宮超音波検査)

経腟超音波検査(子宮超音波検査)は、子宮や卵巣の中の状態を詳しく観察し、子宮筋腫・卵巣腫瘍等の疾患を発見するために実施します。基本的に痛みや出血はほとんどありません。放射線を使う検査ではないため被爆もありません。以前に婦人科疾患を指摘された方にはお勧めします。

所見名詳細
子宮筋腫30歳以上の女性の20~30%にみられる良性の腫瘍です。無症状のことが多いですが、筋腫の大きさやできる場所によって、貧血や月経痛の症状が出ます。小さくて、無症状の場合は治療の必要はありませんが、症状が強い場合や急に大きくなる場合は婦人科を受診し精密検査や適切な治療を受けてください。
子宮腺筋症子宮内膜に似た組織が、何らかの原因で子宮筋層内にでき、増殖する病気です。月経痛、過多月経、過多月経による貧血、骨盤痛などの症状が出ます。月経を重ねる度に月経痛や過多月経による貧血症状が増強する場合は、婦人科を受診し精密検査や適切な治療を受けてください。
子宮内膜肥厚子宮内膜が過剰に増殖した状態です。自然消退する場合が多いですが、子宮内膜異型増殖症や子宮体がんへ進展する場合もあります。
子宮内膜ポリープ子宮内膜表面から突出した結節がみられます。不正出血、帯下増量などの症状が現れたり不妊症の原因となったりすることがあります。多くは良性ですが、一部に悪性の場合がありますので、婦人科を受診し精密検査や適切な治療を受けてください。
子宮奇形子宮の形が通常と異なっている状態です。若年の方は不妊症の原因となったり、子宮の炎症の原因になったりするリスクがあります。
子宮腫瘍子宮内部に、通常とは異なる組織の塊がみられます。良性・悪性いずれの場合もありますので、婦人科を受診し精密検査や適切な治療を受けてください。
子宮頸部のう胞子宮頸部に袋状の組織ができ、その中に液体がたまっている状態です。一般的に小さく良性であることが多いですが、一部に悪性の場合もあります。
卵巣のう腫卵巣に袋状の組織ができ、その中に液体がたまっている状態です。若年の方は良性であることが多いですが、一部に悪性の場合もあります。
卵巣腫瘍卵巣内部に、通常とは異なる組織の塊がみられます。良性・悪性いずれの場合もありますので、婦人科を受診し精密検査や適切な治療を受けてください。
傍卵巣のう腫卵巣の近くに液体がたまった袋ができている状態です。若年の方は良性であることが多いですが、一部に悪性の場合もあります。
卵管水腫卵管に液体がたまっている状態です。感染症が原因の場合が多く、若年の方は不妊症の原因となる場合があります。
特定健康診査(メタボリックシンドローム)

糖尿病などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、おなかの中に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大きくかかわるものであることがわかってきました。

内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。

メタボリックシンドロームの判定基準

①腹囲男性85cm 女性90cm
②血糖血糖 110mg/dL以上
または
HbA1c(NGSP) 6.0%以上
※HbA1cは、血糖(空腹時又は随時)の測定未実施の場合のみ判定基準となります。※服薬中の方は基準内であっても該当となります。
③血圧最高血圧(収縮期)130mmHg以上
または
最低血圧(拡張期) 85mmHg以上
※服薬中の方は基準内であっても該当となります。
④脂質中性脂肪150mg/dL以上
または
HDLコレステロール40mg/dL未満
※服薬中の方は基準内であっても該当となります。

 

メタボリックシンドロームの判定結果

判定説明
基準該当メタボリックシンドロームの基準に当てはまります。
①に該当+②~④が2つ以上該当
予備群該当メタボリックシンドロームの予備群です。
①に該当+②~④が1つ該当
非該当メタボリックシンドロームではありません。
①に該当+②~④に該当なし、または①に該当なし
判定不能今回はデータ不足のためメタボリックシンドロームについて判定できませんでした。

 

内臓脂肪を防ぐポイント!

こまめに体を動かす →食事で摂取された分、身体を動かせば、エネルギーは消費されます。
脂質や糖質を摂り過ぎない →余ったエネルギーは、脂肪細胞に蓄えられます。
お酒と上手に付き合う →アルコールは意外と高カロリーなので要注意です。
禁煙する →メタボリックシンドロームに喫煙が加わると健康リスクが増大します。
ストレスをためない →ストレスで過食傾向になり、つい食べすぎることも・・・

内臓脂肪をためない・減らすような、生活習慣を心掛けましょう。

 

特定健康診査の主な項目について

特定健康診査とは40才以上の方を対象にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診です。
★の検査項目で判定基準をはずれた値が、特定保健指導対象者の選定基準となります。

 検査項目(単位)健診項目の
判定基準
この検査でわかること



身 長(cm) 肥満・やせをはかる一つの指標となります。体重の増減は、生活習慣・健康状態の大切な指標です。
体 重(kg) 
腹 囲 ★
(cm)
男性85未満
女性90未満
肥満のなかでも特に内臓周囲に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満(内臓脂肪蓄積)が動脈硬化を進行させます。腹囲計測は内臓脂肪型肥満をみる指標の1つとされています。
B M I ★
Body mass Index
25.0未満BMIとは、身長に見合った体重かどうか判定する数値です。BMI値22.0前後が最も病気が少なく、この時の体重を標準体重としています。
計算式=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

血 圧 ★
(mmHg)
収縮期130未満
拡張期85未満
血圧とは、血液から血管の壁にかかる圧力のことで、普通は上腕の動脈について測定した値のことをいいます。心臓が収縮して血液を送り出したときの圧力最大値を、最高血圧(収縮期血圧)といい、心臓が拡張して静脈側の血液を吸い込んだときの圧力最小値を、最低血圧(拡張期血圧)といいます。



空腹時血糖
(グルコース・BS) ★
(mg/dL)
100未満血液中のブドウ糖は身体の大切なエネルギー源です。食後には血糖が上昇しますが、インスリンの働きでもとに戻ります。糖尿病でインスリンの作用が不足すると血糖値は上昇します。糖代謝の要精密検査・要医療判定(糖尿病疑い)を放置することは危険です。内科を受診してください。
HbA1c (NGSP) ★
(%)
5.6未満ブドウ糖とヘモグロビンが結合したものを、HbA1c(グリコヘモグロビン)といいます。この物質は赤血球の寿命である約120日は安定するため、過去1~2か月の長期間の血糖がうまく調整されているかどうかを知るために役立ちます。



空腹時中性脂肪(TG)★
(mg/dL)
150未満高カロリー食やアルコールの過飲などで過剰に摂られたエネルギーは中性脂肪として貯蔵され、さらに増加すると皮下脂肪や肝臓に蓄えられます。これが高くなると、内臓脂肪の増加や脂肪肝の原因となります。
随時中性脂肪(TG)★
(mg/dL)
175未満
HDLコレステロール ★
(mg/dL)
40以上動脈壁に付着したコレステロールを再び血液中に洗い出す働きがあるため善玉コレステロールと呼ばれます。これが高いと動脈硬化に予防的に働き、低いと動脈壁へのコレステロール沈着が増え動脈硬化の進行が早まります。
LDLコレステロール
(mg/dL)
120未満LDL(低比重リポ蛋白)はコレステロールを末梢細胞に運搬する働きがあります。血中のLDL-コレステロールの増加は冠動脈疾患の危険因子です。高値のときは、バランスの良い食事や適度な運動を心がけてください。
non-HDLコレステロール
(mg/dL)
150未満non HDL-CはLDLだけでなくすべての動脈硬化を引きおこしたり促進したりするコレステロールを表します。
non HDL-コレステロール=総コレステロール-HDL-コレステロールで計算されます。




AST (GOT)
(U/L)
31未満心臓、肝臓、筋肉、腎臓などのさまざまな臓器に存在する酵素です。これらの臓器が障害を受けると、この酵素が血液中に放出され、高値を示します。
ALT (GPT)
(U/L)
31未満ASTと同じように身体のさまざまな臓器に存在しますが、ALTは主に肝臓に存在するためASTとALTの両方が高値のときあるいはALTのみが高値の場合には肝障害の可能性が高くなります。
γ-GT(γ-GTP)
(U/L)
51未満蛋白質を分解する酵素の1つです。肝臓や胆道に病気があると高値を示します。アルコールの影響で高値になりやすく、常習飲酒による肝障害の指標になります。


クレアチニン
(mg/dL)
男性 1.05未満
女性 0.80未満
クレアチニンは筋肉内にあるクレアチンの最終産物で、腎臓でろ過され排泄されるため、腎機能の最も重要な指標とされています。
eGFR
(推算糸球体濾過量)
(ml/min/1.73m2)
60.0以上腎臓が老廃物を排泄する能力を調べる検査で、血清クレアチニン値と年齢と性別から推算します。慢性腎臓病(CKD)の重症度評価に用いられます。
尿

尿糖(-)糖尿病、腎性糖尿などで陽性となります。尿糖が陽性でも糖尿病とは限らず、血糖値等によって判定する必要があります。
尿蛋白(-)慢性腎臓病、腎炎、尿路感染症など腎臓や尿路等の病気発見の手がかりになります。高熱が出たときの熱性蛋白尿や起立性蛋白尿、一時的な過労等で陽性となることがあります。

※上記の『健診項目の判定基準』は、厚生労働省の定める健診検査項目の健診判定値のうち、特定保健指導判定値を参照に記載しているため、健診結果個人通知に記載されている<今回参考値>とは異なります。
※上記の検査以外に、厚生労働省の定めにより医師の判断で「心電図検査」「眼底検査」「貧血検査」が実施される場合があります。

頸肩腕健康診断

頸肩腕症候群は頸部から肩、上肢にかけて何らかの症状を示す疾患の総称として用いられてきました。神経や血管への圧迫、筋肉への負荷により、首周辺・肩・背中・腕・手・手首などの上肢に痛みやこり、しびれを生じ、進行すると腕が重く感じたり、脱力感から腕が動かせなくなったりする症状を示します。また、病状により、精神的にもイライラ感や不眠感、抗うつ感を生じることがあります。

健診では、身体的負担は身体計測、視力検査、血圧検査のほか、上肢の動きや疲労感・症状の有無を確認します。
精神的負担は問診の回答で確認します。検査のみで頸肩腕症候群と判断することはできません。
症状等が出ている場合には医療機関を受診してください。

検査項目内容
握力握力は簡便かつ安全に測定ができることから、上肢の筋力測定の指標として多く用いられます。物を握るときに発揮される力のことで、主に頸肩腕症候群と関わりが深い前腕部と上腕部の筋によって力が発揮されます。
握力参考:利き手 男性30kg以上、女性20kg以上
     非利き手 男性29kg以上、女性19kg以上
ただし、個人差も大きく経年的な変化も確認します。
タッピング検査指がキーを押し上げる機能(タッピング動作機能)の検査で、左右の人差し指のそれぞれについて2.5㎝幅の間を往復運動させ、その運動を30秒間休みなしにおこない、その回数を数えます。基準は30秒で100回程度になります。
ピンチ力検査ピンチ力(指つまみ力)は,上肢の機能評価の指標として用いられます。<br>圧力センサーの下に親指をあて、測定指を上にし、測定指の第一関節を伸展させ、他の指を軽く伸ばした状態でつまみ力を測定します。他の指は測定する指に触れないよう軽く伸ばした状態にします。これを親指と、人差し指、中指及び薬指との間についておこないます。
医師診察モーレイ、アドソンテスト第1肋骨等で形成される胸郭出口において腕神経叢、鎖骨下動静脈が圧迫されることにより、痛み、しびれ、だるさ等を発症する、胸郭出口症候群の検査として実施します。
モーレイテストは鎖骨の上のくぼみ(鎖骨上窩(斜角筋三角部))を指で圧迫します。圧痛または上肢への放散痛を自覚する場合に陽性となります。
アドソンテストは腕のしびれや痛みのある側に顔を向けて、そのまま首を反らせ、深呼吸をおこないます。鎖骨下動脈を圧迫することで、手首のところの橈骨動脈の脈が弱くなるか触れなくなれば陽性となります。
上肢の運動機能、圧痛点等の検査上肢の運動機能や圧痛点等の有無を調べる検査をおこないます。
・指、手、腕等の運動機能の異常、運動痛等の有無
・筋、腱、関節(肩、肘、手首、指等)、頸部、腕部、背部、腰部等の圧痛、腫脹等の有無
検査の結果、上肢障害やその他の整形外科的疾患、神経・筋疾患等が疑われる場合には所見として記載します。
※医師診察では、症状や疾病と、問診による業務との関連の有無も確認しています。